全国名水百選千種川は源を兵庫、鳥取、岡山県境に発し、中国山地の標高1000メートル水脈から70キロに及ぶ河川となり、瀬戸内へと注いでいる。 水質は上流部の地質が主に花崗岩質から生まれるマサ土であり、マサ土や落葉樹の腐葉土で浄化された水に、更に険しい谷と渓流が磨きをかけ、上質で豊かなミネラルを含んだ水が河口へと注ぎ、瀬戸内の沿岸漁業や、昨年の「全国利き鮎大会」で千種川のアユがグランプリを取るなど、水産資源にも好影響を与えている。
しかしながら、最近では、植林されている杉、ヒノキなどの人工林が荒廃する中で、地球温暖化の影響と思われる集中豪雨や局地豪雨の回数が増え、河川災害や水質が危惧される中で、流域全体でビジョンを持った取組みが重要視されつつあり、特に源流域における落葉樹の植栽や自然保護は千種川の水質の源であることから、緊急にその源流域における自然環境を保全し、水質の保全に努めると共に、その歴史と水文化の保全を次の世代に継承し、千種川流域が連携を深めるとともに、水辺の保全や観光イベントの開催などにより、過疎化の進む源流域の活性化に努めることによって、流域の活性化を図ろうとするものです。