千種川

千種川は、千種町の中国山地の分水嶺江浪峠に源を発し、佐用町中島で志文川、佐用町久崎で佐用川、上郡町で鞍居川、安室川等の支川を合わせ、赤穂市に流入して矢野川および長谷川と合流し、赤穂平野を南東に迂回して貫流しながら播磨灘に注いでいる。流域は、県内4市2町にまたがり、流域面積は754km²、本川の法定河川延長72.155km におよび、南北に細長い典型的な羽状流域を形成する二級河川である。

流域の概要

240map流域は、赤穂市、相生市、たつの市、宍粟市、上郡町、佐用町の4市2町にまたがっている。流域内には国道250号、山陽自動車道、国道2号、国道179号、中国自動車道などの幹線道路、JR山陽本線、赤穂線、山陽新幹線が東西に、智頭急行線が南北、姫新線が北東に走っており、近畿・中国・九州圏への交通の要所となっている。流域内の産業は、千種川流域一帯が気候・風土ともに農耕に適していることから県の穀倉地帯となっている。現在、赤穂・上郡・佐用等に市街地があり、西播磨地方における社会・経済および文化等の基盤となっている。

地形・地質

千種川の上流部には、中国山地の脊梁部を形成する標高1,000~1,300mのちくさ高原や三室高原があり、千種川はここを源として流下している。千種町中心部より上流では河床勾配は非常に急で流れも速く、河床材料の大部分は礫よりなる。
中流部では、志文川や佐用川と合流し、上流部に比べて谷幅の広い谷底平野を呈する。河床勾配も上流部に比べて緩やかになり、大規模な砂州が形成される箇所も見られる。
下流部では、河床勾配がゆるく、市街地及び農地が広がり、堤防が整備されている。また、河道内においては高雄橋周辺の河畔林等自然豊かな景観が形成されている。山地部の地質は、流紋岩質火砕岩類(相生層群)が主となり、河川沿いは新生代の砂礫や砂等の沖積層と河口部は埋立地で形成されている。

気候

上流部は内陸性の気候で、年平均気温は14℃程度で中下流部に比べて1~2℃程度低い。年間降水量は約1,700 ㎜となっており、冬期には積雪が見られる。中国自動車道から国道2号にかけての中流部は内陸性気候と瀬戸内式気候の中間的な気候を呈している。国道2号より下流の下流部は典型的な瀬戸内式気候であり、年平均気温16℃程度、年間降水量は約1,010 ㎜と少ない。

千種川流域における都市化は阪神地区ほど進んではおらず、温暖な気候、澄んだ空気、豊かな緑、清らかな水といった快適な住居空間の条件を有している。

資料:千種川水系河川整備計画(兵庫県)